小さな空間の中にある文字

印鑑イメージ

皆さんは印鑑を芸術的な方向から見たことがあるでしょうか?
あの四角や円、楕円の外枠に囲まれている小さな空間の中にある文字を芸術的と感じた事はありますでしょうか?
印鑑の基本は篆書といわれています。
紀元前数百年頃の文字創世記のイメージが失われずに今に続いており、古代の文字の中では篆書はかなり歴史の長い書体とされているからです。

わが国の印鑑は中国印章の影響を受け、鎌倉時代に宋文化が入り込み禅僧の間で号、諱印として用いられ、室町時代には武家の間にと次第に一般化していきました。
そして江戸時代には現在のように実印、認印、三文判という区別が既にある状態となり、庶民の間にでも日常生活で切っても切り離せないものになったのだそうです。

歴史的にはずいぶんと古くから私達の身近にある印鑑なのですが、それでも印鑑を実際にじっくり見たことのある人は少ないと思います。
そんな状態であってもさすがに銀行印等には多少なりとも重厚感的なものを感じる印鑑を選ぶでしょうし、宅急便の受け取りにはシャチハタ印でも良いと考えると思います。

しかしその重厚感のある印鑑と、三文判の間には同じ印鑑でも画家の絵と素人の絵ほどの差があり、せいぜい縦横一ミリあるかないか位の小さな四角や円の中の文学にもそれぞれの表情があるように思えます。
戦国武将たちがサインとして使用した花押は文字を省略化した図形のような物になっていますが、どれを見ても芸術作品と言っても過言ではない程の魅力に溢れています。
現代に置き換えるのであれば、それは会社の実印のようなものです。
現代の芸術家達が作り出した印鑑という作品、印材、印面次に見る際は是非とも芸術面からも印鑑を見ていただければと思います。

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